デュポン ニュートリション&バイオサイエンス

セミナーレポート
主催:デュポン ニュートリション&バイオサイエンス

高まるプロテイントレンドに対応する応用・栄養技術セミナー


5月23日(水)に開催された高たん白製品開発セミナーについてその模様をレポートします。
このセミナーでは、80名以上の業界関係者が集まり、それぞれの専門家によって、世界の高たん白トレンド、スポーツプロテインに関する研究結果、筋肉合成のしくみについて解説されました。


ミッシェル・テオドロ氏 第一部では、ミンテル シニアフードサイエンスニュートリションアナリスト ミシェル・テオドロ氏によりグローバルでの高たん白市場の動向および、植物性たん白トレンドについて解説されました。プロテイン市場は現在、スポーツだけではなく、ダイエット、シニア、ビーガンおよびフレキシタリアンなどに支えられ世界的に拡大していることが、同社が調査した実際の製品投入数推移によって示されました。具体的には、高たん白栄養バー市場は現在、米国、イギリス、オーストラリアにより牽引され、世界での新規製品投入数は5年前に比べて倍増していることが挙げられました。また、環境保護、動物福祉、健康効果などの観点から動物由来よりも植物由来のたん白を選ぶ消費者のトレンドについても解説され、グローバルな視点で幅広いプロテイントレンドについてお話いただきました。
デュポン ジーン・ヘギー 第二部では、デュポン ニュートリション&バイオサイエンス グローバルストラテジックマーケティングリーダー ジーン・ヘギー氏によりスポーツ分野におけるプロテインの研究成果および大豆たん白による健康効果についてお話いただきました。3つの臨床試験結果(Brown et al. Nutrition Journal 3:22,2004.など) に基づき、長期試験においてソイプロテインとホエイプロテインの筋肉合成量に違いがなかったことが説明され、またホエイ、カゼイン、ソイ、それぞれの消化吸収スピードの違いにより、血中へのアミノ酸供給が行われるタイミングや持続時間に違いがあることについても解説されました。これを利用して、ホエイ、カゼイン、ソイを一定の割合で合わせて摂取することにより、長く、効果的に血中へアミノ酸を供給することが可能となり、長期試験においても筋肉合成量がホエイ単体で摂取するより多くなることが明らかになったと発表されました。また、大豆たん白は健康分野においても非常に多くの研究が行われており、特に確立されている分野として悪玉コレステロールの低減効果とそれに関連する心疾患予防効果であると複数の文献を元に紹介されました。また、今後期待される研究エリアとしては、腎臓の健康、肝臓の健康、腸内微生物叢への効果についてであることも解説されました。
山本義徳 第三部では、ボディビルダー/トレーナーである山本義徳氏によりたん白の合成と分解のメカニズムに関して、たん白の1次構造から4次構造に至るまでの過程と必須アミノ酸それぞれが持つ特徴や働きに関して解説いただきました。また、トレーナーとしてアスリートのサポートを行う立場から、今回は女性ラグビーチームの指導経験談をお話いただきました。女性は男性に比べて食が細いことも多く、食事の量を増やせず、思うようにプロテインが摂取出来ていないと語られました。そのため、プロテインの補助的な摂取は必要不可欠であり、継続して摂取するには、機能やコストよりも先ずは、『味』が重要であると強調されました。加えて、屋外トレーニングでも『手軽』に摂取できる形態となっていることが重要であり、RTD(液体)飲料は、トレーニングの現場でも人気があるとお話されました。今後は、1サービングあたりのたん白含有が20gを超える食品・飲料が増え、パスタなど食事そのものでも、十分なたん白が摂取できる食品が増えていくことに期待しているとお話を締めくくられました。
セミナー終了後はアメリカ、オーストラリアなどで販売されている20種類以上のプロテインバーの試食会を実施しました。今回のセミナーではスポーツ分野を中心に高たん白市場を広義に渡って各講師から講演いただき、アンケート結果でもとても好評を博すことが出来ました。日本でもこれからますます高たん白製品市場が大きくなっていくことが予想されるなか、当社では引き続きこのようなセミナーを開催していくことを予定していますのでぜひご期待ください。
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